イワセミシンカムパニー:世界一を誇るドイツより直輸入

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イワセミシンカムパニー:世界一を誇るドイツより直輸入

このページは、イワセミシンカムパニーが1958年に出した広告を紹介しています。
イワセミシンカムパニーは東京都浅草向柳原1丁目で営業していたミシン販売店です。
現在は「株式会社岩瀬ミシン商会」(東京都台東区東上野2-9-1 岩瀬第一ビル)かと思われます。同商会ウェブサイトによると創業は1950年ですから、この広告が出た1958年と時間的につじつまが合います。
広告を見ていきましょう。
キャッチフレーズが多くて長いです。
当時の日本を取り巻くミシン業界の状況がよく分かります。

ドイツとアメリカとフランスのメーカーの代理店

イワセミシンカムパニーはドイツのミシンメーカーの日本全国総代理店を務めていました。ダールコップ(DURKOPP)社とモーゼル(MAUSER)社の代理です。ダールコップは最近ではデュルコップと表記されます。
この広告ではデュルコップ社の551型穴かがりミシン(穴縢ミシン)とモーゼル社のF35201型3本針ミシンを掲げています。
製造種類は計830種類とありますが、イワセがそれほどの機種を扱っていたとは考えにくいですね。多すぎます。単純にデュルコップとモーゼルの2社で830種類を製造しているぞという意味でしょう。
また、米国アメリカン掬い縫ミシンの日本総代理店や仏国コーネリー刺繍ミシン東日本総代理店も務めました。アメリカの掬い縫ミシンとはルイス社でしょうか。フランスの方はコーネリー社です。

各地区特約販売店

イワセミシンカムパニーは各地区のミシン工場やミシン商会と提携して、ドイツ2社の特約販売店のネットワークをもっていました。それらは以下のとおりです。

  1. 京都地区…大谷ミシン工業所(京都市下京区寺町通仏光寺下ル)
  2. 大阪地区…川原ミシン工業(大阪市福島区上福島南2-321)
  3. 名古屋地区…佐藤ミシン商会(名古屋市西区馬喰町10)
  4. 岡山地区…砂野ミシン商会(児島市味野2959)

このうち2番目の川原ミシン工業は、ドイツのアドラー社とマルコ社のミシンの日本販売総代理店もしていました。
それぞれの広告はこちら。
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イワセミシンカムパニーに戻ります。

経営合理化

経営合理化、能率増進という言葉は1950年代や1960年代の日本でよく耳にしました。アメリカの経営方式が導入されて生産性の向上をいろんな工場がめざしました。
能率増進は組織や作業順序などの範囲です。そのうえで立派な設備や機械が必要だという文脈で、斬新な優良製品も大事だよという趣旨になっています。
世界一を誇るドイツより直輸入とありますから、当時の世界ミシン業界はアメリカに負けず劣らずドイツが強かったのだろうと想像します。米独2強という図式は戦前と同じです。

イワセミシンカムパニー:世界一を誇るドイツより直輸入

イワセミシンカムパニー:世界一を誇るドイツより直輸入


出典 蓮田重義編『工業用ミシン綜合カタログ』工業ミシン新報社、1958年

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