子供にミシンが必要な理由

祖母の素敵なプレゼント:ブラザーTendy ZZ3-B778

ブラザーミシンの思い出
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このページは、同志社大学生に課した自主学習レポートを転載したものです(同志社大学「日本経済史1」2020年度)。転載には事前に許諾を得ています。

自主学習課題として、ミシンを使った人生を振り返ってもらうインタビューをしてもらいました。そのため、本文の大半の1人称は被取材者で、記事の最後のまとめ部分は取材者(レポートの執筆者)となります。ご留意ください。他にもミシンの歴史やミシンの進化に関するテーマを書かれた学生もいらっしゃいます。いずれも、若干の訂正や修正を経て掲載しています。

はじめに

ミシン所有者は私の母(1975年生まれ)です。このミシンは母が愛知県名古屋市の実家(現在の祖母の家)で使用し、結婚後は名古屋市の自宅で使用しています。当時のミシンでは高性能で、十数万円したそうです。

ミシン本体について

  • ミシンのメーカー:ブラザー
  • ミシンの機種:Tendy ZZ3-B778
  • ミシンの購入年:1988年

ミシンを購入した時期と経緯

母が中学一年生の時(1988年)に、裁縫が好きだった母に祖母がプレゼントしました。ブラザー社の「Tendy ZZ3-B778」です。

母は、小学生の頃から裁縫が好きだったので、フェルトを手縫いして巾着やぬいぐるみを作っていました。

母が裁縫を好きになったのは、祖母の影響です。祖母は服を作ったり、ぬいぐるみや刺繍の絵を作ったりしていて、祖母の家にはそれらがたくさん飾られています。このミシンを購入する以前は、足踏みミシンがありましたが、母は使ったことがありませんでした。

支払方法

祖母がクレジットカードで支払いました。

ミシンの性能

縫い方が12種類あります。主なものをあげます。

  1. 直線縫い(2種類)…薄地普通地用とファスナー付け普通地用があり、地縫いに使用します。
  2. ジグザグ縫い…裁ち目かがりに使用するほか、布地のはぎ合わせや飾り縫いに使用します。⇒直線縫(ちょくせんぬい):straight stitch
  3. かがり縫い(2種類)…普通地用と伸びる布地用があります。
  4. ジグザグ三重縫い…飾り縫いに使用します。⇒ジグザグ模様縫(じぐざぐもようぬい):zigzag decorative stitch
  5. まつり縫い…裾上げに使用します。ズボンやブラウスの裾のほか、ブラウスやシャツの袖口など幅広く使用できます。⇒纏縫:まつりぬい
  6. 伸縮縫い…ニットなどの伸縮地に使用します。布地を伸ばしても伸び縮みがきくので糸が切れません。⇒伸縮縫:しんしゅくぬい
  7. ボタン穴かがり縫い…ボタン穴の形に縫います。後で自分で穴を開けるだけでボタン穴が完成します。⇒ボタン穴縢:ぼたんあなかがり/穴かがり
  8. シェル縫い…薄地や柔らかい布地の裁ち目かがりに使用するほか、ブラウスなどに貝殻を並べたような装飾として使用できます。⇒シェルタック
  9. かくし縫い(2種類)…裾縫いに使用します。

また、縫い方に合わせて抑えが4種類あります。

当時のミシンは糸がつりやすかったのですが、このミシンは糸がつらないという点で画期的でした。「Tendy つらないね」がキャッチコピーです。スイッチを押すだけで自動的にボタンのかがり縫いが出来ることや、下糸を巻く機能において、巻き終わると自動的に糸が切れるのも当時は画期的でした。

ミシンを使う技術を教わった人

百貨店で購入し、商品が後日配送されたのち、ブラザーの社員が自宅まで教えに来ました。

ミシンの使い道

中学生の頃は、体育祭のハチマキづくりや、3年生を送る会で披露する劇の衣装担当でしたので、メイド風の白いフリルエプロンを作りました。裁縫ができると、こういう場面で活躍できるのでよかったです。

高校生の頃は、体育祭のチアダンスの衣装で、白いサテン生地の丈の短いノースリーブセーラーの上下を作りました。他のチームと比べてかなりダサかったのですが、それも良い思い出です。

また、私服のスカートを作っていました。黒いミニスカートや、当時流行のエスニック柄のスカートを作りました。自分の理想のスカートが作れるのが醍醐味です。

高校卒業後は、短大の被服科か保育科に進むかで迷っていましたが、先に合格した保育科に進学しました。保育科の短大生の頃は、エプロンシアターというエプロンを使った人形劇のエプロンを作りました。エプロンの上が劇の舞台となるので面積を通常よりも広くとって作りました。その劇に合わせて装飾を付けたりもしました。保育科ということで、フェルトで何か作る機会はありましたが、ミシンを使うことは少なかったです。

社会人になってからは、忙しくミシンを使うことはありませんでしたが、結婚して2人の子供が生まれると使う機会が訪れました。

子供2人の幼稚園の入園準備で、手提げかばん・上靴入れ・巾着袋・ナフキン・ゼッケンなどを作りました。これらは幼稚園から指定された寸法で作りました。

  • 手提げかばんは裏地をつけ、表生地にキルティング生地を使用したり、持ち手は市販のテープを使ったりしたうえで、ミシンで頑丈に縫いました。上靴入れも同じ生地とテープで作っていました。
  • お弁当入れやコップ入れといった巾着袋は、裏地を付けると小さい子供にはしぼりにくくなってしまうので、裏地を付ける代わりにジグザグ縫いやかがり縫いで布端を始末してから仕立てるなど丈夫さと使いやすさの両方に気を付けていました。

布は、子供の好きなキャラクターの柄にしたため、喜んで使っていました。

ただ、小さい子供の好みは短い期間で変わっていくので、それに合わせて新しく作っていました。逆に柄が気に入らなくなると使わないので困りました。子供が小学生の頃は、娘のハンカチティシュ入れや学校に持っていく雑巾を作る時にミシンを使いました。

小学生の女の子の服にはポケットが小さかったりなかったりすることがあるので、安全ピンで服に付けられるハンカチティシュ入れを作って持たせていました。折り畳み式で、中にティッシュ入れとポケットを付けていました。こちらは直線縫いで簡単にできたので、娘の好みの変化に合わせて数種類作りました。端にレースを付けたり、正面にリボンを付けたりするととても喜ばれました。高学年になると周りに手作りのものを使う子がいなくなり、市販のポシェットを使うようになりました。

雑巾は古いタオルを使って作りましたが、手縫いでは分厚くて大変なので、ミシンが大活躍でした。雑巾は1年に2枚を持っていきましたが、高学年になると、スーパーマーケットで既製品が安く売っているのを知り、作らずに購入することが増えました。

ミシンの現在

子供の成長につれて使う機会がなくなったり、パートの仕事を始め、ミシンを使う時間的余裕がなくなったりして、普段は自宅の押し入れにしまってある状態です。

1年に1回程度、主に古いタオルで自宅用の雑巾を作るのに使用します。また、最近は新型コロナウイルスの影響によるマスク不足が深刻ですので、ミシンで家族4人のマスクを作っています。ネットで色んな型をダウンロードし、どれがいいか探りながら作っています。

布を手芸用品店で購入しましたが、同じようにマスクを購入するために訪れる人が多く、布の種類も少なかったです。ひもは妥当なものが見つからなかったため、フリマアプリのメルカリで購入しました。

最後に

ブラザーTendy ZZ3-B778

近頃はあまり使われておらず、押し入れで眠っている印象であったミシンに、母が中学生の頃からの思い出が詰まっていたとは想像もしませんでした。十数万円という価格に驚きましたが、祖母は母が裁縫に興味を持っていることが嬉しかったのでしょうし、これだけ長い間使えているので決して高くはないと思いました。

祖母はとても素敵なプレゼントを贈ったのだと思います。

学生の頃から裁縫が好きだったとは聞いていましたが、具体的にどんな場面で、何を作っていたのかを聞いたことはなかったので、母の若い頃の様子が想像できて面白かったです。

私は学校の家庭科の授業以外でミシンを使うことがありませんでしたが、母は同じくらいの歳の頃に、趣味としてミシンを使うことを楽しんでいたのかと思うと不思議な気持ちがしました。

自分が幼い頃作ってくれたかばんや袋なども意外と記憶に残っているもので、市販で買うことが出来る中、母の手作りのものという温かさを子供ながらにも感じて大事に使っていたのだと思います。

私も、将来子供が生まれたら、ミシンを使って手作りのものを作りたいです。結婚後、母はミシンを私たち子供のために使うことがほとんどであったため、いつか時間に余裕ができたら、また裁縫という趣味を楽しんでほしいと思います。ミシンの話を聞くことで、少しだけ母の新たな一面を知ることができた気がします。

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