ミシンって?

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ミシンって?

ミシンは服づくりにかかせない機械や道具です。

でも辞書には「服」の言葉が出てきません。

中学生むけ国語辞典でミシンをひくと次のように説明されています。

布などをぬい合わせるときに使う機械。林四郎監修、篠崎晃一編修代表、相澤正夫・大島資生編著『例解新国語辞典』第十版、三省堂、2021年、1162頁

つまり布どうしや布に別の物を縫い合わせる機械です。

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ミシンの日本語

ミシンの日本語には昔からいろんな言葉が使われてきました。

  • 縫衣機…主に貿易統計などで使われました。「外国貿易概覧」「大阪貿易彙纂」「国産要覧」「横浜港外国貿易概況」「横浜港輸出入貿易調査資料」など。
  • 裁縫機械…「諸製造所用裁縫機械目録表」「シンガー裁縫機械使用法. 第15,27,28種」などのシンガー社ミシン利用教科書に使われています。また「実用新案分類総目録」「米国博覧会報告書」「万延元年遣米使節写生集」など、特許関係や外国ミシンを念頭におく場合などに使われました。ミシンの漢字としては最も正式な印象です。ミシンは裁断をしないので間違った訳語ではありますが。
  • 縫機…「四川省貿易経済事情」。今のところ、これしか確認できていません。
  • 密針…とくに第2次大戦中に使われた言葉です。軍事書類に頻出します。

ミシンの英語

ミシンを英語で書くと「sewing machine」で、発音は「ソーイング・マシン」、意味は「縫う機械」です。

英語の「sew」が日本語で「縫う」のことで、「ing」形になって「machine」を形容しています。

マシンが訛って(なまって)ミシンになった話をよく聞きます。たぶん正解ですが、誰も根拠を示したことがありません。

ミシンの外国語

英語以外の外国語でミシンは何と言うのでしょうか。表記を書きますと次のとおりです。

  • 中国語:缝纫机(まれに縫衣機)
  • 韓国語:재봉틀(jaebongteul)
  • ドイツ語:Nähmaschine
  • フランス語:Machine à coudre
  • イタリア語:Macchina da cucire
  • ロシア語:Швейная машина(Shveynaya mashina)

ミシンの使い道

服の材料は布ですから、服づくりの機械をミシンと考えても良いのですが、ミシンにはもっと広い使い道があります。

上の記事にふれていますが、ジューキ社の公式サイトでは次のようにミシンを区別しています。

  • アパレル用ミシン(衣服・雑貨用ミシン)
  • ノンアパレル用ミシン

です。

ノンアパレル用とはバッグ ・ソファ ・シートベルト ・カーシート ・エアバッグをふくみます。

これらを縫い合わせることにもミシンを使います。

たとえば日本のミシンメーカー「ジューキ」のウェブサイトを見てみましょう。

スマホ用のサイトでは次のような画面になります。

オレンジ色で囲った2つの部分がミシンです。

工業用ミシンと家庭用ミシンに分かれています。

このうち「工業用ミシン」をタップしてください。

このように「工業用ミシン」に「アパレル用ミシン」と「ノンアパレル用ミシン」(非アパレル用ミシン)に分かれていることが分かります。

衣服や雑貨をつくるミシンは「アパレル用ミシン」に区分されます。

ミシンの世紀を旅しよう

「ミシンの世紀」には次のようなカテゴリーや記事があります。

興味あるテーマを見つけ、楽しく探検でください。

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この記事を書いた人
しんしん

岩本真一。専門はミシンのグローバル史や服飾経済史。これまで近畿圏の各大学でファッション史や経済史などを教えてきました。プロフィールのイラストは同志社大学の2017年度履修生に描いていただきました。著書に「ミシンと衣服の経済史」「近代日本の衣服産業」。アマゾン著者リンクはこちら。研究者情報はこちら

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