これは、川端ミシン製作所の「工業ミシンの心臓」と題された広告です。
自社ブランド「コクヨ」のトランスミッターを宣伝しています。「KOKUYO SEWING MACHINE」は川端ミシン製作所の自社ブランドでした。
川端ミシン製作所は、大阪市城東区今福北4-14で営業していました。
広告を細かくみると、このトランスミッターには付属品がいくつか付いていることがわかります。
- 踏板受
- 10”割プーリー
- 動力踏板
- 取付ネジ
- ピットマン棒
- 油吸
段ボールのような箱をみますと、トランスミッター自体の特徴は、
- SD・PT型
- 分離伝動
- 1/2SEC
- 2P
- 単式・複式動力台・単独台用
と記されています。
この広告が掲載されたのは1958年です。
出典 蓮田重義編『工業用ミシン綜合カタログ』工業ミシン新報社、1958年、6頁
出典 蓮田重義編『工業用ミシン綜合カタログ』工業ミシン新報社、1958年
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「コクヨ」は川端ミシン製作所の自社ブランドです。下請けではございません。
文房具家具の「コクヨ」とは別のブランドで、商標法では業種が異なれば同じ名称の商標権の成立も認めています。なお、川端ミシンの「コクヨ」商標は保護期間が経過し権利は消滅しています。また、会社自体も事業継承者がいなかったため2015年に清算結了となり法人格を消滅しています。
川端康之さま。貴重な情報をありがとうございました。コクヨの名前に釣られ、文具店と思い込んでいました。「コクヨ」が川端ミシン製作所の自社ブランドとは知りませんでした。記載を修正しましたので、ご確認くださいませ。また、貴重な情報や資料等がございましたら、ぜひご一報くださいませ。
さっそく記事のご訂正をいただき、ありがとうございます。
たしかに、今福には、今福大橋の東詰の国道沿いに文房具のコクヨの事業所もあり、混同されたのだと思いますが、商標は分野ごとに成立するので、同じ「コクヨ」でもミシンと文房具という、それなりに異なる分野だったので両方とも権利成立したのでしょう。
「コクヨ」とは国誉のことで、戦前の国威高揚を踏まえたものだったのだと思います。