映画「アドレナリン」にみるミシンの例外的な使い方

ミシンの不思議
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この記事ではかなり逸脱した利用方法からミシンの多様性を考えます。

材料はマーク・ネヴェルダイン監督とブライアン・テイラー監督、ジェイソン・ステイサム主演の映画「アドレナリン」(Crank, 2006年)。

このページで述べたミシンの特徴を真似してはいけません。この特徴を自分にも他人にも動物にも使ってはいけません。

ミシン(Sewing Machine)は不思議な機械です。服だけでなく鞄や帽子や袋や本も作ります。

当サイトでは既に次のような特徴を取り上げました。

  1. 高度な設置自由度:ミシンの特徴 1:ミシンは、手廻式、足踏式、電動式の動力区別を問わず、工場だけでなく家にも設置可能です。それは小型だからです。
  2. 簡便性:ミシンの特徴 2:布であれば何でも縫えるというミシンの特徴を示しています。
  3. 広い用途:ミシンの特徴 3:縫製工場(アパレル工場)だけでなく様々な工場にj出荷袋縫製用に設置されています。
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映画「アドレナリン」

私は《こういうオッサンになりたいが絶対に成れないだろう数名の一人》であるジェイソン・ステイサムが大好きで、当然こういうオッサンに成れないことは分かっていますが彼の出演映画はかなり見ました。

シリアスなものよりも爽快感抜群の暴力系(バイオレンス系)ばかりですが…。

R指定:見るとき要注意

映画「アドレナリン」はステイサム出演映画の中でも、かなりキツいグロテスクな暴力場面が多いです。

過激な暴力以外に流血描写やそれらに対応した多くの言語、あるいはセクシュアリティ、ヌード、薬物使用ゆえに映画のレイティングシステムが設定されたものです(いわゆるR指定)。

そして映画鑑賞の際には映画を見ることができる年齢制限の枠が決められています。

たとえば15歳指定は日本、ノルウェー、スウェーデン、メキシコ、16歳指定はアルゼンチン、ブラジル、アイスランド。韓国、シンガポールなど多くの国は18歳指定となっています。

日本の場合は40歳くらいに引き上げんとイカンと思いますが、それはともかくミシンの世紀として、この映画に注目したい場面があります。

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この映画に注目したい場面:ミシンの多様性

この場面の説明と埋め込み映像

この映画に注目したい場面はヒロインのエイミー・スマート演じるイヴと一緒にビル内を悪者たちから逃げる場面。

フロアを下がると出てくるのはミシンの並ぶ縫製工場…。映画ではドン・キムのシャツ工場とされています。一人の男性経営者か監督者の下で20名程の女性たちがミシンを踏んでいます。

かなり恰幅の良い悪役がピストルを持って工場内のステイサムとスマートを探します。ステイサムは気づかれないように悪役の後ろから腕をとり、そいつの手をミシンに乗せてスイッチ・オン。

ある男がもう一人の男の手をミシンに乗せ、ミシンをオンにします。針が男の手を突き抜けて数秒間穿刺し、叫び声とともに血が傷から出てきます。(Parents Guide – IMDb

洒落にならない、目を覆いたい場面が突然、悪役の叫び声とともに目の前に…。

血と声が溢れかえる場面でキツいんですけど、とりあえずミシンのメーカーを知りたい。

10回巻き戻して確認してもメーカーは出てきません…。このミシンのサイズですと工業用ミシンに間違いありません。


その場面がこれです。Youtubeの当該場面を埋め込みました。

流血どころか噴血場面が出るので閲覧する際は覚悟して下さい。エレベーターに乗って縫製工場へ降りる場面(1分20秒辺り)から開始するよう設定しておきました。

2018年3月24日現在、Youtubeの該当映像のコメントで質問を投稿しました。世界中の方の見識に期待。

この場面の疑問

この映画の前提が本質的に映画を過激なものとしていますが、ミシンの場面を除けば暴力は形式化されていて、むしろ非現実的に描かれています。(Parents Guide – IMDb

ミシンの場面以外の暴力シーンは非現実的とまとめられています。

そこで疑問が一点。

この映像を可能にする程の押え上昇量をもったミシンは存在するのか。 via Crank (9/12) MovieCLIP – We All Gotta Die (2006) – YouTube (外部リンク、過激場面多いゆえ閲覧要注意)

この悪役の大きな手が入る程の隙間がミシンにあるのか?

家庭用ミシンや職業用ミシンでは布抑えやミシン針が最高点に上がった時点でも、掌や手の指が入る隙間は普通ありません。

しかし、映像が本物のミシンを使っていると仮定するならば、家庭用ミシン・職業用ミシンではないミシンを探す価値は有ります。

工業用ミシンはどうでしょうか。

日本のミシン・メーカーで工業用ミシンを主軸に営業してきたジューキ社のサイトを調べてみます。

同社サイトによると布押えが一番上に行った時の高さはミシン台からの距離のこととなり、これを「押え上昇量」と言います。

アパレル用工業ミシン

この押え上昇量は、衣料品などに使うアパレル用工業ミシンですと10mm台がほとんどです。

ノン・アパレル用工業ミシン

他方、「カーシートやソファなど、革や合皮・厚地など、厚物生地」向けのノン・アパレル用工業ミシンの押え上昇量は、2018年3月24日現在でニューモデルとされる「セミドライヘッド本縫総合送り水平大釜糸切りソーイングシステム」(LU-2800V-7シリーズ)の場合に20mmとなっています(外部リンク「LU-2800V-7シリーズ / JUKI 工業用ミシン」。

おわりに

映画「アドレナリン」でミシンによる攻撃が可能であるとすれば、ノン・アパレル用工業ミシンの可能性が大きいといえます。

しかし、先に紹介した写真の悪役の手は20mmを超えているように見えます。

そこで最終的な課題は、針の長さ(見る限り20mm)を含めた押え上昇量が50mm~60mmほどのノン・アパレル用工業ミシンが存在するかどうか、この点に絞れます。

この映画「アドレナリン」を私がミシンに絞ってレビューしたのが次の箇所に掲載されています。ご参照ください。

追記

ツイッターでこの点を話題にしたところ、アパレル関係の方から親切に次のようなコメントをいただきました。

どうも映画のミシンは工業用ミシンを弄っているような気がします。