ミシンのエピソード「ジャガーミシンKI-007で楽しみをともに」をご紹介しています。
インタビューアーからみてミシンの所有者は母方祖母です。
1947年生まれで、京都の北桑田という田舎の地域で高校生まで育ちました。
ジャガーミシン「KI-007」は、祖母が仕事を辞めてから購入したもので、使い始めてからまだ10年ぐらいしか経っていないのだそうです。
ミシンに関して
ミシンメーカー
株式会社ジャガーインターナショナルコーポレーション
ミシンの機種
KI-007
ミシンの機種についての詳細
- シリアル番号: 07427450
- 定格電圧: AC100V
- 消費電力: 75W(ランプ 15W)
- 定格周波数: 50/60Hz
ミシンの性能
ネットで調べると、株式会社ジャガーインターナショナルコーポレーションのKI-007は型の古いもので、今は生産停止になっていました。
そのため、あまり情報がないのですが、簡単にこのミシンの性能についてまとめておきます。このミシンの利点は3点あります。
- 自分の好みのスピードで縫えます。スライド式のレバーでスピード調節を行えるため、自分の好みのスピードで縫い進めることが出来ます。
- コンパクトサイズで、収納にも場所を取りません。
- 3フリーアームなので、縫い上げが簡単に行なえます。。補助ベットを取り外せば、袖口やズボンやスカートの袖上げに便利です。
初めてのミシンとの出会い
私がミシンを習ったのは、北桑田高校の家庭科の授業でした。
高校までは、実家から自転車で20分ほどかけて通学していました。
当時、女子は家庭科を勉強して、家事や裁縫の技術を身に付けなければならず、その一方で男子は技術や社会に出るために勉強をしていればいいという考えがあったため、私は家庭科の授業で裁縫をすることになり、初めてミシンを触ることになりました。
その当時は、ほしいものが何でも手に入るというわけでない時代と、生まれ育った家が北桑田という京都の田舎にあるという環境から、ほしいものがあれば何でも自分たちで縫物をして作らなければいけませんでした。
しかし私の母は裁縫が得意で、私の幼いころから座布団や服、セーター、人形の服まで作ってくれていました。
そのため、裁縫をしなければいけない時でも、なんでも母が縫物をしてくれていました。
このような家庭環境から、学校の家庭科の授業で裁縫やミシンの使い方を学ぶまでは、自分で針に糸を通す事すらしませんでした。
そんな中、家庭科で初めての裁縫、そしてミシンの操作をすることになり、必死にミシンの使い方を覚えました。ミシンの手順を覚えるまでが大変で苦労したのを覚えています。
しかし一度覚えてしまうと、操作事態は楽しいものだったと思います。
今のミシンとの出会い
出会った経緯
説明書などもなくしてしまい、記憶も曖昧なのですがミシンを購入したのは、今から10年ほど前で、2010年ごろなのではないかと記憶しています。
長年続けていた仕事を15年前に辞めて以来、時間が出来たので、趣味を生活の中に多く取り入れるようになりました。
初めの頃は、卓球やフラダンスなど身体を動かす事を中心にしていました。
しかし、フラダンスやコーラスの舞台で発表する際の衣装のほつれが出てくるようになり、自分で手縫いをするようになりました。
しかし、手縫いでは時間がかかることや、シーズンや曲ごとに衣装が変わることから短時間で多くの作業をしなければいけないと感じ、ミシンを1つ家においておくと便利なのではないかと考え、ミシンを購入することに決めました。
購入する際に重視したこと
近所の大型量販店で、自分でミシンを購入しました。
ミシンを購入する際に考慮したポイントは値段です。
購入する際は、衣装のほつれを綺麗にするリフォームだけを目的として考えていたので、機能やデザインはあまり考慮せず、値段重視で一番安価なものを購入しました。
値段ははっきりと覚えていませんが、10,000円以下で購入できたのではないかと記憶しています。
今はリフォームだけでなく、雨の日に小物を作っており、趣味にもなっています。
こんなに使うのであれば、もうすこし精度の良いものを購入すればよかったなと思っています。
今、何に使っているか
初めは衣装を手直しするのが面倒に感じたことをきっかけに、ミシンを購入しました。
しかし、使い始めるにつれて、昔、学校でミシンを使うのが楽しかったなという感覚を徐々に思い出し、色んなものを作りたいという思いを持つようになりました。
今ではミシンを使って、衣装のリフォームだけでなく、小物を作っています。
最近作ったものは、使い古した着物を裁断して裏地をつけて、ティッシュペーパーのカバーを作ってみました。自分がお気に入りだった着物を生地にしているので、着物も捨てることなく、生地の柄を生かしていて、お気に入りの小物です。
作ったものは、自分の子供や孫にも渡そうとしたのですが、使わないと言われました。
そのため、いつもお世話になっている方々に配りました。
他には、正絹のカレンダーをリメイクして、棚の仕切りを作ったり、着古した服を縫い、椅子のカバーを作ったりしています。
以前は作業のためのミシンでしたが、今は趣味としてミシンを使っています。手縫いで作るよりも、早く縫い上げる事が出来るので、とても簡単に作ることが出来ます。
今のミシンの状況
実は今はあまりミシンを使っていません。その理由は、針に糸を通すのが難しいということ、針をミシンにセットするのが難しいからです。
年を取ると、目が悪くなり、手が前よりもこわばってきたため、小さな針の穴に糸を通し、セットするまでが困難になってきました。
そのため、最近はミシンを使わず、手縫いをするようにしています。
ただ針をセットすることが出来れば、ミシンを使う事が出来るので、今度、孫が来た時にミシンの針に糸を通すのを頼んでみようと思います。
年がいっても簡単にミシンを扱う事ができたらいいなと思います。
最後に:ジャガーミシンKI-007で楽しみをともに
祖母の話を聞いて、祖母がそれほど裁縫や洋裁に対して馴染みがないものだと知り、驚きました。
私の中で、昭和20年代に生まれた世代は、気軽に服やモノを買える状況にないというイメージが強くあり、みんながなんでも手作りができるように、家庭で裁縫の技能を教え込まれているものだというイメージでした。
そのため、祖母の話を聞いてイメージとは異なったため驚きと、亡くなった曾祖母が裁縫を上手であったという家族の知らない一面を知ることが出来てよかったです。
またミシンを使っている理由も、嫁入り道具で曾祖母から持たされたものかと思っていましたが、祖母が単に必要に駆られて使い始めたという話や、今は趣味になっているという話も聞いたことがなかったので、驚きでした。
意外と話を聞いていないだけで身近な人の事にも知らないことがあるのだと実感しました。
他の方のエピソードをホームページから閲覧していた時に、母や祖母が手作りで作ってくれたものに対して、受け入れられなかったという感想を見かけたことがありました。
自分には、そんなエピソードがないだろうと思っていましたが、実際祖母にインタビューをすると、ティッシュカバーを断っていたという話が出てきて、申し訳なく思いました。
断った側の自分は忘れていたことも、心を込めて作ったものであるからこそ、作った側は忘れていないのだと感じました。
今回ミシンを通して、普段聞かないような家族の一面やミシンに触れていた当時の時代背景を垣間見る事が出来ました。
私の祖母は比較的ミシンとの関わりの薄い人だと思うので、他の方のエピソードとの比較をすることで、祖母と同年代の方のミシンとの人生も見てみたいと感じました。
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