この記事では「思い出と共にあるブラザーミシン」と題した、ブラザー社の「ラフィーネZZ3-B586」の思い出を紹介しています。
ミシン所有者とあなたの関係
写真のミシンは、私の母が所有しているもので、現在も使用しています。
母は1968年生まれで、福井県福井市で2011年から約8年間このミシンを使用しています。
このミシンを使用するまでに、約2台のミシンを使用した経験があり、母にとってこのミシンは「三代目」にあたります。
ラフィーネ(Raffine) ZZ3-B586について
- ミシンのメーカー:ブラザー工業株式会社
- ミシンの機種:ラフィーネ(Raffine) ZZ3-B586
- 機種番号:NO.30428629
- 定格電圧:100W
- 定格消費電力:60W
- 定格周波数:50/60Hz
- ランプの消費電力:8v 2.4W
- ミシンの購入年:2011年
ミシンの性能
母が、このミシンを購入する際に決め手となった点は2つあります。
- 1点目は、値段が手ごろで購入しやすかったことです。
- 2点目は、縫い方の種類が豊富であったことです。たくさんの縫い方が横のレバーで選択可能で、目的や用途に応じて適切に使い分けることができます。
次に、母が実際にこのミシンを使用してみて良かった点を2つ述べます。
- 1点目は、縫うスピードが調節可能なことです。細かい作業を行うときには、スピードを遅くし、長い直線縫いなどが続くときにはスピードを速くすることで、より効率的に作業が行えます。
- 2点目は、縫い出しの針の位置が調節できることです。通常の針位置から2mmほど横にずらすことなども容易で、裾上げ処理をする際などに便利です。
使用していて、悪いと感じる点はとくに無いと述べていました。
ミシン技術の習得先
ミシンの技術は、すべて独学で、洋裁の本やミシンの取り扱い説明書を参考にしたそうです。
もともと、母は着物が好きで、結婚する以前には着付けの教室に通っていました。また、着付けの助教授資格も取得しています。
このように、着物に触れる機会が多いかったこともあり、裁縫や服飾への興味が大きく、主に趣味としてミシンを使用していました。
女性は、自分の母親から裁縫を教えてもらうというイメージが強いですが、母の母(私から見て祖母)は、ミシンを使用することはほとんど無く、一度も教えてもらったことはなかったと母は苦笑いで述べていました。
思い出と共にあるブラザーミシン「ラフィーネZZ3-B586」
前述したように、母は趣味の一環としてミシンの使用を開始しました。
加えて結婚後には、父(母から見て夫)姉、私と、家族のためにミシンを使用していました。洋服や小物、バックなどジャンルを問わず作っていましたが、主に私や姉が幼稚園や小・中学校で使うものを作ってくれました。
もともと、裁縫が好きなこともあり、母は学校で使うものは、基本的にすべて手作りしたものを持たせてくれました。
数多くある母の手作りの品のいくつかを、以下にまとめます。
スモック(作業着)
私が幼稚園の時に作ってくれました。
主に、幼稚園の工作の時に作業着として使用するため、当時私の好きだったハローキティのキャラクターの生地を選んだと言っていました。
また、すぐに成長が進むため少し大きめに作ったとも述べていました。直線縫を用いていました。
弁当・給食袋
私と姉が幼稚園と小学校の時に作ってくれました。
幼稚園や小学校の低学年の時は、主にキャラクターのデザインが入った生地を使用し、中学年や高学年の時は、花柄やチェック、ドット柄など少し大人っぽい柄の生地を使用していました。
また、雨の日には撥水加工のある生地で作ったものを持たせてくれました。直線縫を用いていました。
手提げバック
私と姉が小学校の時に作ってくれました。このバックも、用途ごとに生地を工夫して作ってくれました。
学校で使用するものは、重いものを入れても大丈夫なように厚い生地を用いて、持ち手の部分をきつめに縫い付けていました。
また、私たち姉妹は、書道を習っていたのでそのお稽古バックには、墨汁で汚れても目立たない生地を使用していました。
さらに、普段の生活で使うバックには、ポケットを様々な布を用いたパッチワーク仕様にしてくれました。すべて同様に直線縫いを用いていました。
スカート
私が小学校の時に作ってくれました。
下着が透けないように薄い生地を何枚か重ねて仕上げていました。直線縫と裁目縢(たちめかがり)を用いていました。
ベスト
私が小学校の時に作ってくれました。
フェルトのような分厚い生地を用いて作ってくれました。
普段使用しない、分厚い生地だったため、縫うときにすごく苦労したと述べていました。直線縫を用いていました。
ズボンのほつれ直し・丈直し
私が小学校の時に行っていました。
ほつれは普通に直線縫を行うと不格好だったのでジグザグ縫でデザイン性を持たせたそうです。
丈直しには直線縫を用いていました。
ポーチ
私と姉が小学校の時に作ってくれました。生地は茶色と水色の色違いのドット柄を使用し、飾りとしてレースやタグをつけてくれました。
また、ファスナーもつけてくれました。直線縫いと裁ち目かがりを用いていました。
今回、紹介したもの以外にもたくさんのものを作ったと言っていました。
また、有償で作ったことは無く、すべて無償で、家族のために作ってくれました。
そして母は、生地を選ぶ際にもすごくこだわったそうです。用途や目的に応じて生地を選び、装飾を行うなどたくさんの工夫を施していました。
また、母は実際に、私や姉の持ち物を作る際には、私たちに生地の柄を選ばせてくれました。幼稚園や小学校の頃、休日に近所の手芸屋に行ってたくさんの生地や糸、ビーズなどを見て、購入したことを今でも鮮明に覚えています。
母は、この時に私たち姉妹に簡単な手芸のキット(編み物やビーズなど)や、生地を購入してくれ、家で実際に作り方や縫い方を教えてくれました。
母も当時のことを鮮明に覚えていて、私たち姉妹が手芸に興味を持ってくれたことが嬉しかったと笑顔で話してくれました。
ミシンの現在
私と姉が成長するにつれ、自然と学校で使用するものを手作りする必要がなくなり、それに伴いミシンを使用する機会も減っていました。
しかし、私と姉が大学に進学し、地元を離れたことで、以前のように自分の趣味に、ミシンを使用する時間が増えたそうです。
そこで、現在でも月に2~3回ほどですが、休日にミシンを使用しているそうです。自分の趣味と言っても、そのほとんどが私たち家族に向けて作ったものです。
私と姉が、下宿先で使用できるよう、コースターや鍋敷きを作るのに使用していました。先日も、実家からの荷物の中に、母の手作りしたポーチが入っていて、嬉しかったです。
また、父(母から見て夫)とおそろいのバックを作ったと電話で嬉しそうに話していたこともあります。このように、以前に比べて、スカートやベストといった洋服類を作ることは少なくなったそうですが、小物類は現在でもたくさん作っているそうです。
私たちのためにものを作ることは、どうしたら喜んでくれるか、どんなものが使いやすいかなど、作る相手のことを一番に考えることになり、現在では離れて暮らす私たち娘のことを身近に感じられて嬉しいと述べていました。
ミシンへの思い入れ
以下、ミシンについて母が語ってくれたことを述べます。その際の「私」は母です。
現在では、以前に比べて母親が子供の学校用品を手作りするということが減っています。自分たちで作る手間をわざわざ負うことなく、購入することで失敗することもなく簡単に手に入れることができるからです。
中でも、子どもが小学校のときに掃除で使用する雑巾が売っていた時にはとても驚きました。親が作って子どもに持たせるのが普通だと思っていたからです。
このように、今後母親が、家庭でミシンを使用して子どもに何かを作るということは、どんどん減っていくと考えると少し残念です。
なぜなら、私はミシンで何かを作ることで、家族との思い出も作れたからです。一緒に生地を選んだこと、服の寸法を測ったこと、縫い方や道具の名前を教えたことなど挙げ出したらきりがありません。
その一つ一つはとても些細なことで、他人からしたらどうでも良いことかもしれません。
しかし、私にとってそれは大切な思い出の一つです。
そして、私が感じたこのような喜びをもっとたくさんの人にも味わってほしいです。たとえ些細なことでも、かけがえのない宝物になるということがミシンを通じて分かったのです。
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