この記事では「暇つぶしのミシン」と題した、シンガー社の「SN773」の思い出を紹介しています。
暇つぶしのミシン:シンガー SN773
ミシン所有者とあなたの関係
ミシンの所有者は私の祖母です。
私の祖母は1950年に徳島県の田舎に生まれ、現在は大阪の寝屋川市に住んでいます。
長年使っていたミシンが壊れてしまい、2014年頃に「シンガー SN773」を購入したそうです。
ミシン本体について
ミシンのメーカー
シンガー
ミシンの機種
SN773
ミシンの性能
次に性能について紹介します。
- 定格電圧:100V
- 定格消費電力:70W
- 定格周波数:50/60Hz
- LEDライト:5V Max. 100mW
- Shinco Co., LTD.
- Made in Vietnam
このミシン(シンガー SN773)は、とくずば抜けて良い性能は正直ありません。
一つ良い性能は両手を自由に使える、フットコントローラーがついていたことです。
どうしてこのミシンを買ったのか祖母に聞いてみると、値段が手頃で最低限の機能がついていたからだそうです。祖母がこのミシンを買ったときにはもう若くはなかったのでシンプルで使いやすいものがよかったそうです。
祖母は縫い物が趣味で、このミシンが壊れる前の古いミシンでも縫い物をたくさんしていたそうです。
しかし古いミシンは性能が悪く、スムーズにいかなかったけれど、このミシンを買ってから、とてもスムーズに縫えるようになったとうれしそうに言っていました。
もう一つ良かった点は、以前に使っていたミシンよりも軽く、高齢の祖母でも持ち運びがしやすいところが気に入っているそうです。
足踏式ミシンから電動式ミシンへ
祖母の時代のミシンは足踏式ミシンだったそうです。
足踏式ミシンの使い方はお母さんから教わったそうです。祖母は昔徳島県の田舎に住んでいて、学校の体操着入れや上履き入れを作ってもらったそうです。
そして大人になり、今のような小さなミシンの使い方は独学で勉強したそうです。
祖母は専業主婦だったので、暇な時間に趣味として始めたそうです。祖父が仕事に行くと家事を終わらせ、暇なときは気づいたら日が暮れるまでミシンを使っていたこともあったほど熱中していたそうです。
ミシンの使い道
祖母は、趣味の縫い物をする目的で購入しました。いくつか印象深かった物を紹介していきます。
トートバック
一つ目はいらなくなったデニムシャツでつくったトートバックです。直線縫いを主に使っていたそうです。
少し分厚いデニム生地のシャツを使うことで重い荷物も入れられる鞄を作っていて凄いなと思いました。
犬の洋服
二つ目は、祖母が飼っていた犬の洋服です。布が解れないように、かがり縫い(縢縫)で縫っていたそうです。
店で可愛い布を買って、リボンなどでかわいくアレンジもしていました。小型犬なので小さな服なのに、とても細かいところまで縫っていて感心しました。
上履き入れ
三つ目は弟が幼稚園に通っていた頃、上履き入れをつくってくれていました。ジグザグ縫で縫っていたそうです。
クッションカバー
四つ目は、祖母の家のクッションカバーです。
一つだけではなく何種類ものカバーを作って、飽きたら変えていたそうです。直線縫で縫ったそうです。
女の子の人形
最後に、私が一番驚いた物です。それは女の子の人形です。人形といえば小さい物を想像しませんか?
私の祖母は違いました。全長120センチくらいの女の子の人形を作ってリビングの小物が飾ってある横に椅子の上に座らせていました。大きすぎてとても驚きました。
人形の顔など、丸みがあり直線よりも曲線が多かったのでとても難しかったと言っていました。主に並縫いで縫ったそうです。曲線を縫うときのコツはなるべくゆっくり丁寧に縫うことだそうです。
そして、目はボタンで表現し、髪の毛は毛糸を三つ編みにしてかわいくしていました。そしてその人形もしっかり手作りの洋服が着せられていました。
サロペットを着せていました。サロペットは主に直線縫を使用していたそうです。
このように、祖母は趣味でミシンをとても楽しんで使っています。
また、私が買ったデニムの裾上げなども持って行ったらすぐにやってくれてとても助かっています。
もちろんミシンを使ってお金をもらっていることは一切ないので、祖母のミシン作業はすべて無償労働です。
ミシンの現在
このミシンは現在も使っています。
昔は弟や私のために学校で使うものを作ってくれていました。
しかし、私はもう大学生になり、弟も中学生になった今、学校で使う物は少なくなり、祖母の趣味で作ることが多くなりました。
全くホコリもかぶっていなくて、買ったときと変わらず今でもずっと使われています。使用頻度は週に2回・3回で、数時間も作業するときもあれば、週1回で長い時間ミシンを使って物を作ることもあると言っていました。
このミシンは母が使うこともあります。母はあまりミシンが好きではないので滅多に使いません。
私も手先が器用ではないのであまりミシンが得意ではないです。でも、祖母に教えてもらいながら時々縫ったりしています。
このように、祖母のミシンは昔と今で使う目的や使う人は少し変わっていますが、使われ続けています。シンプルで、基本的な機能しかないミシンだからこそ、不器用な母や私も使うことができるんだと思います。
ミシンへの思い入れ
祖母はこのミシンを使うことで退屈な時間がなくなって毎日が楽しいと言っていました。
このミシンで作った体操服入れなどを弟に渡したときに嬉しそうな顔を見られてとても嬉しいと言っていました。
実際、私も小さい頃はよく祖母の家に行って遊んでもらっていました。しかし、大きくなるにつれて合う頻度も減っていきました。
でもズボンの裾上げなどを頼んだりすることで合う頻度が増えてたくさん喋る機会も増えました。
そのことについて、祖母もとても喜んでくれています。ミシンがあるから会う機会が増えました。祖母にとって、このミシンは暇つぶしの道具だけでなく、弟や私をつなぐ大切なミシンだと言っていました。
また、このミシンは時々私の母も使っています。
あまりミシンが得意ではないので祖母が母にアドバイスしながら使っています。
その二人を見ていると、祖母が将来に私にもこのミシンを使ってほしいと言ってきて、とてもこのミシンに思い入れがあるんだなとおもいました。
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