この記事ではいただいたミシンのエピソード「ジャノメミシン エルベス N305」をご紹介します。
対象になるミシンはジャノメミシン「ジャノメミシン エルベス N305」で、インタビュー対象者は母です。
家族の記憶に刻まれるジャノメミシンN-305
ミシンの購入経緯
2001年の秋ごろ、当時住んでいた家の近くの電気屋さんでオープンセールを実施していて、ずっと前からミシンが欲しかったので買いました。
確か値段は2万円弱だったと思います。ブランド名もあって、値段の割に性能が良さそうだったのですが、その当時からすると高い買い物でした。
決済は現金で、ミシンの為だけにお店に行ったので、買ったものもミシンだけでした。
ミシンを好きになったきっかけ
ミシンを好きになったきっかけは小学校の家庭科の時です。
田舎の普通の一般学校でした。今ほど家庭科の時間も少なく、あまり料理をした覚えはありません。縫うことが好きだったから記憶にないのかもしれません。
昔は家庭科でミシンの授業がなく、手縫いの授業ばかりだったので、ミシンが好きというよりは、縫うのが好きという感じです。
なので、縫うのが苦手な子がいたら、自分がその人の分までやったこともあるぐらいです。
しかし、そのことがばれて一緒に怒られたこともよく覚えています。家に足踏式ミシンがありましたが、ほぼ使うことはなく、何かつくるとなっても全て手作業でしていました。
そんなこともあり、毎回の家庭科の時間がとても楽しかったです。
自分流のミシンの縫い方
ミシンでものをつくることにおいて、大変困ったことはありませんが、自分は型紙がないままつくるので、寸法が合わなかったりしたときもあります。
そういったときは、もう一度縫い直したりしてカバーしました。ミシンも性能は良く、縫い方もいろいろと選択できるので使いやすかったのですが、もう少し分厚いものをつくれるミシンが良かったなとも思います。
また、いらなくなった服で新しいものをつくる形でやっていたので、あまりない感じのものが出来上がることが多く、それをみんなが喜んでくれたのは嬉しく、やりがいがありました。
将来の夢
縫うことが好きだった自分の小さいころからの夢は、デザインから完成まですべて考えてつくり、自分のお店を出すことでした。
裁縫もミシンも得意だったので、ビーズを使ってコースターをつくったり、マフラーや手袋、子供が生まれてからは子供服までほんとうにたくさんのものをつくっていました。
趣味の一部にすぎませんでしたが、自分が楽しいと思えることを仕事にして、お客さんに喜んでもらえたらどんなに楽しいだろう、とよく考えていました。
その夢は大人になっても捨てきれず、いつかは出せたらいいなという思いから、つくったものはほとんど現存しています。
ミシンの使い道の今昔
ミシンを買ったのは子供が生まれてからということもあり、ほとんどが子供たちの日用品をつくるために使っていました。
娘2人には子供服を中心に、息子には学校の必需品を主につくりました。
娘2人の実用品
ミシンを買ってからは縫うことが本当に楽しくて、ミシンでいろいろとつくっていました。例を挙げると、バックやエプロン、お弁当バック、服などです。
今残っているものは少ないですが、当時はよく使ってくれていました。
ほとんどのものは不要になったジーンズでつくっていました。娘2人は2歳差なので、お揃いのものを持つことが多く、必ずセットでつくっていました。
自分は周りの人とは少し違うようにしたかったので、飾りとしてボタンやレース、バッジをふんだんに使って、派手にしていました。バックは斜め掛けで、ジーンズ生地にバッジをたくさんつけて中も大きめにつくったので、使い勝手が良かったのか、毎日持って行っていました。
エプロンは家庭科の時間に使っていたと聞きました。上の娘の方はデザインをケーキにして、下の娘の方はブドウにしたのですが、お互いのも使ってみたかったのか、最後の方は逆になっていました。
子供たちもボロボロになるまで使ってくれたのはとてもうれしかったです。お弁当バックは娘だけでなく、夫にもつくったことがありました。男の人ということもあり、デザインは結構悩みましたが、グレーや黒を使ってシンプルにしました。
今使っているのは2代目で、使って5年目になりますが、とてもきれいに使ってくれています。いろいろつくった中で、最も印象に残っているのが娘2人の服です。
シャツからスカートまでさまざまなものをつくりましたが、その中でも最高傑作だったと思うのはノースリーブのブラウスです。
前にいっぱいフリルがついていて、我ながら上手にできて、とてもよく似合っていました。自分がつくった服を娘2人に着せて歩いていると、周りの人に「可愛いね」と言われたこともあって、大変うれしかったです。
娘には自分の手作りが1番似合うなと思っていましたが、成長していくにつれて、娘たちがお店の既製品を欲しがるようになったときは、成長を嬉しく感じるとともに、少し寂しかったです。
息子の学校用品
娘のときは女の子ということもあって、可愛くておしゃれなものをつくりたいと思っていたのですが、やはり男の子となるとなかなか難しく、あまりミシンを使う機会も少なくなりました。
つくるものがあるとすれば、学期ごとに学校に提出する雑巾であったり、体育服や上履きの入れ物です。息子はスヌーピーが好きというのもあり、SNOOPYの文字を入れたり、キャラクターのアップリケを飾りとしてつけたりして、とても喜んでくれました。
また、息子に気遣って雑巾は買った方がいいか質問した時、「自分のだと遠くから見ても分かるから、つくってくれた雑巾の方がいい」と言ってくれた時は、涙が出そうになりました。男の子でも嫌がる子は嫌がるので、手作りを喜んでくれるのはありがたいです。
今と昔とでは用途が違いますが、どういった形でも必要としてくれて、喜んでくれるのは親として大変うれしいことです。
ミシンは以前のものから変わっていませんが、買ってから20年と思うと、子供たちの成長は早いなと感じます。
ところどころが壊れかけている部分もあったりするので、新しいミシンも欲しいなとは思いますが、今は前ほど使う機会がないので難しいところです。
また、今のミシンにも数多くの思い出があるので、捨てきれないというのが正直なところです。
最後に
今回、このインタビューを通して感じたことはミシンは私たち家族の中で大いに活躍し、そしてミシンでつくった数多くのものは思い出として記憶に残る宝物であるということです。
母が裁縫が好きなのは知っていましたが、自分のお店を出したいと思っていたというのは初めて知りました。
でもそのくらい、母がつくるものはとても可愛くてお気に入りで、姉とよくお揃いで使っていたのを覚えています。母がつくってくれたものの中で1番印象に残っているのがエプロンです。
母と違って目立つことがあまり得意ではなかった私はブドウの飾りがついたエプロンは正直恥ずかしかったです。
母はインタビューで、お互いのものを使ってみたかったから、最後の方は逆になっていたと言っていましたが、実際は私が姉に頼んで変えてもらったのです。
その当時は申し訳なくて言えなかったのですが、インタビューをした際に話したら、とても驚いていました。
ミシンについてのインタビューは生まれて初めてだったので、その時の思いや苦労話を聞くことができて、感謝の思いでいっぱいになりました。
今残っているものは少ないみたいですが、もし残っているものがあるならば、いつか自分の子供に着せて、これからも受け継いでいければいいなと思います。
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