パイピング
パイピングとは解れ止めや装飾のための縁取りの一種です。布地の縁に別布をパイプ状に縫いつけます。英語で「piping」。日本語で「玉縁縫」(たまぶちぬい)とも。
いいかえれば、布端をバイアス・テープや別布で包む作業(始末)。また、細いコード状のものを切替線に挟みこんで装飾する作業も含みます。英語で「piping」。
布端を包む場合、バイアス・テープや別布のほかに共布(生地と同じ布でパーツとしては別布)を用いることがあります。
布端にパイピングを使う箇所(ディテール)には布の裁ち目、ポケットの切り込み、ボタン・ホール(ボタン穴)などがあります。
パイピングの方法
パイピングの方法には、主に4つの方法があります。
- 縫い目を表のみに出さないことを目的とした2枚の布地に対するパイピング
- 縫い目を表裏ともに出さないことを目的とした2枚の布地に対するパイピング
- 1枚の布地に対するパイピング
- 毛糸などをくるんでふくらみを持たせたパイピング
などです。

パイピングの縫い方と縫目
旗袍やチャイナ・ブラウスへのパイピングの付け方
旗袍やチャイナ・ブラウスなどのチャイナ服に関しては、少なくとも四つの角のパイピングの正しい付け方があります。
それは上側が下側を覆う方法です。
次の写真は妻がアトリエ・レイレイの作品として作成した旗袍(チャイナドレス)の例です。

アトリエ・レイレイの作った旗袍。パイピングとチャイナボタンのアップ写真。
この旗袍はパイピングにレース生地を挟むことで、装飾性を高めています。
同じくレースと併用したパイピング。

アトリエ・レイレイの作った旗袍。パイピングのアップ写真。
旗袍(チャイナドレス)のパイピングの付け方は次の関連ページをご参照ください。
関連 ミシン縫も手縫も使うチャイナ服:アトリエ・レイレイ制作風景
パイピングの種類
パイピング・ポケット(玉縁ポケット)
ポケットの切り込みにパイピングを用いたものはパイピング・ポケットや玉縁ポケットといいます。この種のポケットには2種類あります。
- 片玉縁…切口片側にパイピング(玉縁)を施している
- 両玉縁…切口両側にパイピング(玉縁)を施している
前者を単にパイピング・ポケット(piping pocket)といい、後者をダブル・パイピング・ポケット(double piping pocket)、ダブル・ウェルト・ポケット(double welt pocket)、ジェッテッド・ポケット(jetted pocket)ということも。
パイピング・ボタン・ホール
パイピング・ポケットのようにボタン穴(ボタン・ホール)をパイピングで縁取ることもあります。
これをパイピング・ボタン・ホール、またはバウンド・ボタン・ホールといいます。ボタン穴の多くはダブル・パイピングされます。
パイピング・カフス
カフスに用いられるパイピングの多くは、ギャザー状の袖口に用いられます。
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