この記事ではミシンのエピソード「祖父母の思い出が詰まったシンガーメリット7800」をご紹介しています。
ミシン所有者とあなたの関係
写真のミシンは祖父母が使用していたものです。
祖母は1940年生まれ(79歳)、祖父は1941年生まれ(78歳)で、奈良県葛城市で使用していました。
シンガーメリット7800について
ミシンの購入年は1974年頃です。
ミシンのメーカー・機種
メーカー:シンガーミシン
機種:メリット(MERRITT)computer 7800
- 定格電圧:100V
- 定格消費電力:80W
- 定格周波数:50/60Hz
- 白熱ランプ:100V 12W
- HT2066603
- Made in Japan
ミシンの性能
祖母はパッチワークが趣味だったので、ミシンを購入する際の決め手は、刺繍ができるかどうかでした。
その面では、ミシンを購入することによって丁寧にしっかり縫えるようになり、満足したそうです。
また、このミシン(シンガー メリット 7800)はコンピューター自動走行ミシンです。
コンピューターミシンは簡単な操作でいろんな縫い方ができるという点に魅力を感じたそうですが、多機能な分、直進縫いをする際やりにくさを感じることもあったそうです。
自動走行で文字(カタカナ・ローマ字)を縫うことができる点もこのミシンが良いと思うところだそうです。
ミシン技術の習得先
祖父母はミシン購入時に付属でついていた取扱説明書やカタログから独学で学びました。
裁縫をする際によく使う機能は、何度も使ううち(約2年)に習得したそうですが、全機能を把握することは無かったそうです。
祖父母の思い出が詰まったミシン:シンガー メリット 7800
祖母はパッチワークや刺繍の作品を作る際、手縫いより細かくしっかり縫いたいという思いからミシンの購入を決めました。
娘(私の母)の学校で使用する道具を作成することにも使用しました。
祖父は、自身の衣服のサイズを調整するためにミシンを使用しました。
作成したものはすべて無償労働です。
まず、祖父は主に自身の衣服のサイズ調整をするためにミシンを使用しました。
ズボン
祖父が痩せ、ウエストや裾が自分の体より全体的に大きくなってしまったズボンを調整するために縫いました。
縫ってある糸をすべて解き、直線縫で自分のサイズに合わせて縫いなおしました。
その際、ミシンの調子が悪くなったそうですが、修理に出す暇がなく、すべて手で回しながら縫ったことが思い出だそうです。
ベルトを通すところもすべて付け直す点が難しく、一つだけうまく付け直せなかったそうですが、今も使用しています。
次いで、祖母はミシンを以下のようなことに使用しました。
パッチワーク
自身の趣味のために作りました。
できた作品は、欲しいと言ってくれる方にあげました。また、作品を展示会に提出することもありました。
パッチワークで作った作品を以下にまとめます。
額縁
出来上がった作品の周囲を、直線縫を使用して作りました。
タペストリー(刺繍とパッチワークを組み合わせたもの)
作品を作る最初の過程、いろんな色の布を切って繋げて一枚の絵を作る(トップという)際、直線縫を使用しました。
その後、額に入れるために、トップの周りを他の別の布を繋ぎます。その際、直線縫を使用しました。
バッグ・袋
バッグ・袋を作る際、表と裏を別々(型は同じ)に作って、双方を繋げるときに間にマチを入れ、そこを直線縫で作りました。
小物(財布・ペンケース・眼鏡ケース等)
財布の場合、布の形を決めて直線縫いを使って縫い合わせます。その後綿を入れて裏をつけ、その周囲を、直線縫で縫いました。
娘(私の母)の幼稚園・小学校で使用する道具
スモック
購入したスモックに、娘の好きなキャラクターをジグザグ縫(小)を使って作りました。
エプロン
スモック同様、購入したエプロンにジグザグ縫(小)、まつり縫いを組み合わせてエプロンの淵を縫いました。
上靴入れ
大きさを決め、裏と表を縫い合わせるときに直線縫を使用しました。
そして、持ち手を作り、本体を直線縫いで縫いつけました。娘の名前を袋につけるため、コンピューター機能を用い、ローマ字で縫い合わせました。
手刺繍(例:バッグ(マチのない場合))
裏布を直線縫で縫い合わせ、バッグの裏側をマチで縫い合わす際に使用しました。
その後、持ち手を付ける際にも直線縫を使用しました。
ミシンの現在
パッチワークは、トップと裏布の間に綿を入れます。綿を挟んだ布を縫うことで、ミシンの中に綿のほこりが入り、調子が悪くなることが多々ありました。
そして今から10年前、ミシン会社に修理にだしました。
しかし、その修理会社の方はあまりしっかり見てくれなかったそうです。古いミシンだったこともあり買い替えることを勧められ、それ以降使用することはありませんでした。
数年前、長く使用した思い出深いミシンということで、祖父自らが修理を試みたところ、直線縫のみできるようになったそうです。現在は祖父母の体調が優れていないので、使用していません。
ミシンへの思い入れ
祖母はミシンで新しいモノを作るたびに人にあげていました。現に私や母、従姉妹も皆、祖母の作った財布やカバン、ベルトなどを使用しています。
あげた人が喜んで使ってくれている様子を見ると、モノづくりをしていて良かったと嬉しく感じるそうです。
ただ、ミシンの機能をすべて把握していなかったので、自分の娘(私の母)に可愛い服やカバンを作ってあげたくても、できなかったことが心残りだそうです。私は祖母の作るものが好きなので、また元気になったら作ってほしいです。
また、私もいつかモノづくりができるよう、作り方を教えてもらいたいと思います。
ミシンの思い出を聞くことで、私の家や祖父母の家に飾っているモノ、使用しているモノの大半が祖母の手作りだと気づきました。
ミシンを使って作り上げた、祖母の思い出が詰まった家を見渡すのは、とても楽しいです。一つ一つの作品の思い出をこれから聞いていこうと思います。
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