化繊糸がかかる丈夫な縫目 プリンスミシン:岩瀬ミシン
これは1950年代に岩瀬ミシンが出した広告です。
「化繊糸がかかる丈夫な縫目」としてプリンスミシンを紹介しています。岩瀬ミシンはプリンスミシンの総発売元の立場にありました。
当時の同ミシン最新機種は「PM-101」型で、広告には
- 送り調節用押しボタン
- 縫い方見本2種(1つは通常時、1つは布を引き延ばした場合)
- ベッド裏の一部
- ベッド表の一部
以上4点のイラストや写真が掲載されています。
この最新機種は、簡単で楽な操作ができます。
そして、表題にもあるとおり、化繊糸が掛かる点が大きな特徴です。
2種の縫い方見本のとおり縫目は伸縮に富みます。独特のルーパー装置がついています。送り調節は写真のとおり押しボタン式。
布帛・綿・毛メリヤス・各種価額繊維・既製服その他、あらゆる繊維品の縫製に使えます。
岩瀬ミシンの現在
岩瀬ミシンは本社を東京都台東区二長町182に構え、墨田営業所を東京都墨田区亀沢町1丁目に設けていました。
現在は、岩瀬ミシン商会として東京都台東区東上野2-9-1岩瀬第一ビルで営業をしています。
同商会のウェブサイトでは
初代岩瀬富男氏が戦後まもなく岩瀬ミシン株式会社(現、岩瀬プリンス)でミシンの技術を伝授し1950年に株式会社岩瀬ミシン商会を設立しました。http://iwasemishin.co.jp/company.html
とありますから、電機メーカーの「岩瀬プリンス電機」がこの広告の岩瀬ミシンの後継にあたりそうです。
化学繊維とミシン
ミシンは20世紀になってレーヨンをはじめとする化学繊維の糸で縫えるかどうかにチャレンジしてきました。
この広告はそれを明示している点で興味深いものです。
出典 松下良一編『'74縫製機器総合カタログ』松下工業、1974年
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