小規模仕立業者の経営から読み解くファッションの社会経済史

出版社ページの「著者メッセージ」にて自著『近代日本の衣服産業-姫路市藤本仕立店にみる展開-』の面白みを紹介しています。

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安井ミシン店:ブラザーミシン特約店・シンガーミシン販売

ミシンの広告
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これは、大阪の安井ミシン店が1958年に出した広告です。
安井ミシン店のロゴは「YT」。代表者の安井徳義のアルファベット頭文字かと思います。
安井ミシン店はブラザーミシン特約店をしていました。特殊用厚物用ミシンと職業用工業用ミシンを取り扱っていたことがわかります。

所在

所在は大阪市西区本田町2丁目45番地。現在は西区本田で「町」がなくなっています。本田は阪神なんば線「九条駅」と大阪メトロ千日前線「阿波座駅」の間にあります。
三井銀行大阪川口支店、大和銀行大阪川口支店と、取引銀行の支店名もワクワクさせます。
本田という地域は、安治川と木津川の合流点(西中島公園)から南西方面です。つまりは、宮本輝の「小説「泥の河」舞台の地碑」からも南西。
あの辺は海の匂いがして、製作所や中小工場の多いレトロで切なくなる街です。今年のゴールデンウィークのサイクリングを思い出しました。
https://flaneurjournal.com/2019/05/05/20190504/

シンガー特殊ミシン

安井ミシン店:ブラザーミシン特約店・シンガーミシン販売

安井ミシン店:ブラザーミシン特約店・シンガーミシン販売


広告のミシン2つ。
てっきりブラザー特殊ミシンかと思っていたら、よくみると、シンガーの特殊ミシン。機種番号がシンガーっぽいですが、うっかりブラザーと判断しかけました。
ミシンにかぎらず戦後の日本の広告って、外国製品を取り扱って誇大に表示して、その傍らで国産品を添えて宣伝というパータンが多いですね。
具体的に文字を追いましょう。
天幕、防水布、皮革、キャンバスに向いたミシンで、厚物用部分品の製作や改造や修理ができます。
安井ミシン店が取り扱っているのは、第7種、第16種、第31種、第45種、第132種、145W、300W、などです。
イラスト2点のうち上の方は「Singer 144W202」。キャンバス地などを縫うためにベッドが広くなっています。
シンガー 145W202:2本針本縫厚物縫ミシン
これは、シンガー社の2本針本縫厚物縫ミシンです。型番は「145W202」。本機は縫床(ベッド)30"の広さをもっています。16-4番の太糸を80ヤール包容する大きなボビンを備えています。自動車カバー、テント、カバー、皮革コートなどの縫製に。

安井ミシン店の名前

安井さんがミシン販売店をしていて、ブラザーの製品を扱っているとなると、親戚筋かと思わずにいられません。
「安井徳義」でネット検索すると一番上に「大洋ミシン工業株式会社」が出てきました。
1950年5月に、

創業者、安井徳義が大阪市西区本田にて、安井ミシン店を開業
工業用、家庭用ミシンなど、縫製機械の販売を開始

出典 会社概要 | TPSの大洋ミシン工業
とあります。
1966年10月に現社名になっています。
会社間協力って楽しいので、最近のトレンド1点だけご紹介。
2017年3月に、

YKK株式会社様、JUKI株式会社様のご協力を得てSeamZip®ファスナー付け専用FTPSミシンの開発

出典 会社概要 | TPSの大洋ミシン工業
とのことです。
現本社は大阪市東成区東小橋1丁目。関連会社に安井ミシン株式会社(所在地おなじ)。

出典 蓮田重義編『工業用ミシン綜合カタログ』工業ミシン新報社、1958年

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