環縫ミシン/二重環縫ミシン/オーバーロックミシン

ミシンカタログ
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この記事では、環縫ミシンの構造や用途を説明しています。

環縫ミシンの特徴は、できた縫目に伸縮性と強度があることです。

英語で「chain stitch sewing machine」といい、昔は鎖縫式ミシンとも訳されました。

環縫ミシンは、布の断面からみた環状を意味しています。同じチェーン・ステッチ・ミシン(chain stitch sewing machine)といっても、布の表裏からみて環状(チェーン状)に縫う刺繍ミシンのことではありません。この点の違いはこちらをお読みください。
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環縫ミシンの原理

単環縫ミシンと二重環縫ミシンがあります。

いずれも環縫の原理は同じです。

上下運動を行なう針が降下して生地を貫通したとき、針糸の緩みのなかにルーパーが回り込んで、1針ごとにループを作ります。

  • 単環縫ミシン…針糸(上糸)のみで1針ごとにループを作ります。単糸環縫ミシンと考えればOK。
  • 二重環縫ミシン…針糸(上糸)とルーパー糸(下糸)で、1針ごとに下糸が二重にループを作ります。二重糸環縫ミシンと考えればOK。

いずれも伸縮性に富みますが、どちらかというと二重環縫ミシンの方がいっそう伸縮性が大きいです。

二重環縫ミシンはとくに伸縮度の大きい箇所の地縫やゴム入り部分などに使います。

単や二重は糸の数であって針の本数は関係ありません。単環縫ミシンはほぼすべて1本針ですが、二重環縫ミシンには、1本針二重環縫ミシンや3本針二重環縫ミシンなどがあります。
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環縫ミシンの用途

単環縫ミシンと二重環縫ミシンのいずれも伸縮性に富みます。

そのため、メリヤス生地どうしの縫い合わせや、ポケット縫、前立シャツの首代わりや衿付、前立付縫などに用います。

もう少し詳しくみます。

単環縫ミシン(single chain stitch sewing machine)

厳密には単糸環縫ミシンといいます。

昔は傘、帽子、ネクタイなどに使われていました。

今ではメリヤス(ニット)生地の地縫(仮縫・しつけ縫)、身頃、袖付、衿付、ネーム付などに使われます。デメリットは解れやすい点。

二重環縫ミシン(double chain stitch sewing machine)

昔はスラックスの股上部や脇の縫製、ジーンズ、作業着などに使われていました。

今ではジャージー(ニット)のスラックスや手袋をはじめ、伸縮性と強度を必要とするほとんどの衣料品の縫製に使われます。とくに縁縫(ふちぬい・へりぬい)に多用されます。

オーバーロック・ミシン

よく聞くオーバーロック・ミシンは環縫ミシンの一部です。俗称にロック・ミシン。

二重環縫ミシンの一部という人や会社もあれば、単環縫ミシンも含む環縫ミシン全部をさすという人や会社もいて、なかなか厄介です。

シンガー社のオーバーロック・ミシンは460種系統。日本製はDC系統が多いです。

英語で「overlock sewing machine」または「overedging sewing machine」。戦前の資料では「おばらつくミシン」とも。

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