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ミシンの区分と縫目の種類をイラストや写真から説明

1番目の図は上糸と下糸が絡みあう縫目です。2番目と3番目の図は布の表面からみると本縫と同じですが、裏面から見ると環状になっています。ミシンで作る民族衣装
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このページでは、ミシンの区分と縫目の種類をイラストや写真で説明しています。

簡単に構造からミシンを二つに区分します。そして、ミシンの縫目を紹介します。

ミシン縫目にはいくつかの種類があります。縫目だけからミシンの種類を分けることは難しいです。縫い目がミシンの本体の種類と一対一で対応するわけではないように思います。

そこで「工業用ミシンとは | 工業用ミシンのペガサスミシン製造株式会社」の「基本の縫い方」や、こちらで用意した縫目の写真などから、ミシン縫目の種類を説明します。

また、ジーンズのポケットや旗袍のスリットに施される閂止も紹介しています。

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ミシンの区分

いろんな角度からミシンを区分できます。

本体構造による区分と、縫目の構成による区分を中心に紹介します。

本体構造による区分

ミシンにはとても多くの種類がありますが、構造上は本縫ミシンと環縫ミシンに大別できます。

  • 本縫ミシン…天秤・針棒・送り・釜の4点から構成
  • 環縫ミシン…針棒天秤・送り・ルーパーの3点から構成
例外的に、刺繍ミシンのように送りをもたないミシンもあります。

縫目の構成による区分

  • 本縫ミシン…上糸と下糸が絡みあう縫目をつくるミシン。英語で「lock stitch」。
  • 環縫ミシン…1本の糸が環状(鎖状)に絡みあう縫目をつくるミシン。布の表面からみると本縫と同じですが、裏面から見ると環状になっています。古語に「鎖状ミシン」。英語で「chain stitch」。

次の項目で詳しくまとめ直します。

1番目の図は上糸と下糸が絡みあう縫目です。2番目と3番目の図は布の表面からみると本縫と同じですが、裏面から見ると環状になっています。

本縫ミシンによる縫目と環縫ミシンによる縫目の違い。布断面図からみた場合。

いわゆるロックミシン(オーバーロックミシン)は環縫ミシンの一種で、英語は「overlock」または「overedge」といい、「lock stitch」ではない点に注意。

縫目の種類

布の断面からみた縫目

布の断面からみた縫目は、前項で少し説明しましたが、ここで詳しくまとめ直します。

それぞれの縫目は次のように簡潔に説明できます。ミシン縫目の写真はこちら

  • 本縫…表裏とも直線の縫目で、伸縮性に乏しい。
  • 環縫…表は直線、裏はループで、伸縮性に富む。

このように、基本の縫目は本縫と環縫の2種に大別されます。

1970年代頃から環縫ミシンの一部をオーバーロック・ミシン(俗にロック・ミシン)とよぶようになりますが、両者の関係を明記した研究文献は皆無です。

もう少し詳しくみてましょう。

顕微鏡で布地を拡大したように横から縫目を見ると、次のようになります。

いずれも上が布の表、下が布の裏です。

また、いずれも布を表側から見た場合、直線が等間隔に途切れていることが想像できます。

本縫ミシンの作るジグザグ縫の縫目

本縫ミシンの作るジグザグ縫の縫目 via 「工業用ミシンとは | 工業用ミシンのペガサスミシン製造株式会社

  • 本縫…縫った布地の表裏ともに縫目が直線になっています。あまり伸びないため、織物地(業界用語の布帛)に多く使われます。本縫に所属するジグザグ縫は伸縮性があるため、布帛だけでなくニットを縫う場合にも使われます。ジグザグ縫をオプションに備えた本縫ミシンをジグザグミシンといいます。
  • 環縫…縫った布地の表は直線で、裏はループになっています。ループの分だけ伸縮性があります。そのため、ニットを縫う場合によく使われます。環縫にはさらに複数の種類に分かれます。それらの縫目は「工業用ミシンとは | 工業用ミシンのペガサスミシン製造株式会社」内の「環縫のバリエーション」をご覧ください。上に引用したイラストは単環縫の場合です。

布の表裏からみた縫目

本縫と環縫という基本の縫目を布地の横からみました。

次は妻が用意した写真から、表面・裏面からみた縫目をみましょう。直線が等間隔に途切れていることを確認できます。

本縫の縫目

これは本縫ミシンの縫目です。

表側からみた本縫ミシンの縫目

表側からみた本縫ミシンの縫目 ©ミシンの世紀

環縫(縢縫)の縫目

衣類を作るには本縫ミシンが必要ですが、環縫(縢縫)を上部にさせるために、環縫ミシンを併用する場合があります。端縫や縁縫を行なう時に使います。

環縫ミシンの一部をオーバーロック・ミシン(俗にロック・ミシン)とよぶことがあります。詳しくはペガサス社の「環縫のバリエーション」をお読みください。

ペガサス社のこのページは環縫ミシンとオーバーロックミシンの関係に触れた点で貴重なものです。

下の図は、ロック・ミシンを使った縢縫(かがりぬい)です。

表側からみた縢縫の縫目 (かがりぬい)。ロックミシンによる。

表側からみた縢縫の縫目 (かがりぬい)。ロックミシンによる。 ©ミシンの世紀

側からみた縢縫の縫目 (かがりぬい)。ロックミシンによる。

裏側からみた縢縫の縫目 (かがりぬい)。ロックミシンによる。 ©ミシンの世紀

閂止の縫目

最後に、閂止ミシン(かんぬきどめ)で出来た縫目を見ましょう。

よく見かけるのはジーンズのポケット角、旗袍のスリット開始部分、手首側の袖端などです。

ジーンズの場合はポケットに物を入れることが多く、ポケット角には圧力が強く掛かります。また、旗袍のスリット開始部分には、脚を動かした時に圧力が掛ります。

閂止は負荷のかかる部分に糸を集中させて縫うことです。圧力に耐えられるようにする効果があります。

ジーンズ

このジーンズでは、黄色部分と赤色部分の2か所で閂止をしています。ポケットが膨らみにくい分、逆に頑丈に仕上がっています。

表側からみたジーンズの閂止の縫目

表側からみたジーンズの閂止の縫目 ©ミシンの世紀

裏側からみたジーンズの閂止の縫目 ©ミシンの世紀

ちなみに、このジーンズは表面が青色、裏面が半白色のデニム生地で出来ています。この生地は標準的な青色デニム(≒ジーン jean)で、経糸に紺糸を用い、緯糸に未晒し糸を使って織ったものです。詳しくはモードの世紀の「デニム : denim」や「ジーンズ : jeans」をご参照ください。

旗袍

旗袍の場合はスリットが始まる部分に負荷がかかりやすい上に、その部分にパイピングを施しているため、生地とパイプの両方を閂止でしっかり留める必要があります。

表側からみるとスッキリしていますが、裏側からみるとやや複雑な縫製が施されていることが分かります。

表側からみた旗袍の閂止の縫目

表側からみた旗袍の閂止の縫目 ©ミシンの世紀

裏側からみた旗袍の閂止の縫目

裏側からみた旗袍の閂止の縫目 ©ミシンの世紀

なお、旗袍のスリットについてはモードの世紀の「スリット : slit」や「陳数の旗袍 : まとめと旗袍のスリット」、旗袍の基本的な説明は「旗袍 : 世界で最も知られた民族衣装の概説と歴史」などをご参照ください。

まとめ

以上、ミシンの縫目を見てきました。

布を横から見た場合に本縫と環縫、表裏から見た場合に本縫と縢縫と閂止縫の縫目を確認しました。

私自身はミシンを勉強してきて、環縫ミシンの位置づけが未だに分からないままですが、縫目だけ見れば本縫ミシンのオプション的なジグザグ縫いと同じだと考えられます。

絓縫ミシンの縫目は本縫いと異なり、表裏ともに環縫風になっています。

縫目については2つの関連ページで、わかりやすく説明しています。ご参照ください。

関連 縫い目に関する用語

関連 家庭用ミシンの裁縫用語の考え方と意図

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