糸から織物へ加工:織物の構造と編物の構造

ミシンで服づくり
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繊維を糸に加工する段階を次の記事でたどりました。

洗練された糸を使って織物や編物をつくります。

アパレル製品では、次のような糸の使い道が考えられます。

  1. 織物生地を作る縦糸(経糸)と横糸(緯糸)
  2. 編物生地を作る糸
  3. ミシン縫製をする縫糸(多くは上糸と下糸/よくミシン糸という)

この記事では「1」「2」をもとに、糸から織物へ加工する段階を紹介します。

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織物の構造

力織機。インドネシアのバンドンで。

力織機。インドネシアのバンドンで。Bandung, Indonesia, Photo by Lidya Nada on Unsplash

織物を作るには織機を使って経糸を設置します。

その経糸の上や下を緯糸が通っていって経緯の糸が重なっていきます。

経緯の糸はそれぞれ浮沈しながら交錯しています。

基本の交錯は直角です(平織/平組織)。傍流に斜めに交錯するもの(斜文織=綾織/斜文組織)や直角交差でもドット風になるもの(朱子織/朱子組織)があります。

これら3点を織物の3原組織といいます。

平織(平組織)のサンプル

平織(平組織)では、経糸と緯糸ともに1本ごと浮沈を繰り返し、固く堅牢な生地になっています。

平織(平組織)の組織図は下のとおりです。

左図の左下4コマが基本の最小パターン。

完全組織とも基本組織ともいいます。

斜文織・綾織(斜文組織)のサンプル

斜文織・綾織(斜文組織)では、3本以上の糸を上下に組み合わせ連続させ、布面に斜めに走る筋を表現します。

経緯糸3本ずつで基本組織になります。

平織よりも糸がズレやすく、生地の性質(地質)は少し柔らかくなり、曲げやすくなります。この織物を使ったアイテムの典型がジーンズ。

皺ができにくいのですが摩擦に弱いです。

斜文織・綾織(斜文組織)の組織図は下のとおりです。

このイラストは斜文組織のうち「3枚綾」(最小組織の3×3)とよばれるもののサンプル。

戦前の織物業では三綾(みつあや)と呼ばれました。

朱子織(朱子組織)のサンプル

平織や綾織のような規則性をもたず、連続しないのが朱子織(朱子組織)の特徴。

経糸か緯糸だけが布面に多く現れます。

表面は経糸か緯糸だけで出来ているかに見えます。

平滑で光沢が多くなるのが特徴。地質は柔らかいです。

5x5が最小組織の組織図をサンプルにあげます。

デニム生地のサンプル

次の写真は私のリーバイ社製ジーンズ502です。

ジーンズ(デニム)は綾織で織られています。

平織だと頑丈すぎて動きにくいからでしょうか。というよりも、動きやすくするために綾織にしたということでしょう。

リーバイス502ジーンズとロゴです。

リーヴァイ・ストライスウス・アンド・シーオー(Levi Strauss & Co. Original Riveted)502TM。

青田充弘『501XXは誰が作ったのか?』の感想
この本はリーバイスの歴史を述べた本です。著者の言葉ではインダストリアル・ヒストリー。本書は、リーバイ社の個人史と会社史を中心に、背景となるアメリカ史はもちろん、ミシンやボタンなどの関連メーカーにも言及し、広く深いでき栄えになっています。
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編物の構造

ここでは、編物の主体となる横編(緯編)だけを説明します。

織物もですが編物もキリがない…。それに織物以上に不勉強なので、どなたかご教示くださいませ。

編物の基本は、横方向に延伸した糸条にループをつくり、このループをもとにして第2段のループをつくります。

横方向のループの連綴から横編地ができます。

概念図は下のとおりです。

ヨコ編(横編)の概念図。via 株式会社福原精機製作所「ニットとは」

最初のループをとおり、第2段のループが前方に引き出されるときのループの状態を表目といいます。反対側のループの状態は裏目といいます。

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