時代が変わればシュールも変わる

製造面からみたシンガー社の多国籍化

ミシンメーカーと地域産業
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米国シンガー社は市民戦争終結後の1867年にユニオン・ボタンホール社を買収し、巨大企業化の兆しを見せます。

1873年にニュージャージー州エリザベスポート工場が開設し、当時は世界最大の工場となりました。

140万平方フィートのシンガー社ミシン工場は、1982年に閉鎖するまでエリザベス最大の工場でした

「140万平方フィートのシンガー社ミシン工場は、1982年に閉鎖するまでエリザベス最大の工場でした」 via Old Singer Sewing Machine Factory, Newark Bay, Elizabeth N… | Flickr

その後、ミシン製造工場の自動化(オートメーション化)が漸次導入されていきます。

20世紀初頭の米国では、工場規模の拡大による規模の経済よりも、企業合同による独占・寡占の形成化が有効であると盛んに議論されていました。シンガー社の場合は19世紀後半に工場拡大と企業買収のいずれも行ないながら、並行して海外市場の拡大を始めた点に経営の独自性がありました。

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シンガー社多国籍化の展開

シンガー社が多国籍企業化する端緒は、1867年に設置されたグラスゴー組立工場です。

この工場はスコットランドにあり1872年に新設されました。

第3代社長ジョージ・R・マッケンジー期の1882年、カナダのモントリオール工場と、スタンド製造用の鋳物工場としてオーストリアのフロリッズドルフ工場、翌1883年にはスコットランドにキルボーウィ工場を開設しました。

Wmが発行したローカル・カード。ネス、ステーショナリー、クライドバンク。クライドバンクのシンガー・ミシン工場の巨大な労働者群が門から出てきます。有名なシンガー時計が後方に見えます。一時期は世界最大の電気時計でした。

Wmが発行したローカル・カード。ネス、ステーショナリー、クライドバンク。クライドバンクのシンガー・ミシン工場の巨大な労働者群が門から出てきます。有名なシンガー時計が後方に見えます。一時期は世界最大の電気時計でした。 via Singer’s Works, Clydebank. | Some of the huge workforce at t… | Flickr

この間、シンガー社のヨーロッパ市場拡大パターンは、完成品輸出→現地組立(ノックダウン)→現地生産という変化を遂げました。またロシアでの好況を踏まえ、元水夫であったニードリンガーという若者との共同出資で一貫製造工場「Kompaniya Singer」をロシアに設立したのは1896年のことでした。

A Facelift for Singer in Russia” では、何十年も放置されたロシア・サンクトペテルブルクの古いシンガービルが当局に改装された様子を知れます。

以後、海外工場の設置は1897年のポドリスク(ロシア)、1906年のセントジョンズ(カナダ)と続きました。翌1907年には、米国ミシン業界一番手を一時はシンガーと争ったホイーラー・アンド・ウィルソン社を買収しました。この時点でシンガー社はミシン種別によってユニオン・スペシャル社との棲み分け状態に入ったといえます。

下のカードはカナダのセントジョンズ工場の略史です。

Singer Sewing Machine Factory St Johns
Singer Sewing Machine St Johns Factory

スコットランド工場のメリット

スコットランド生まれのマッケンジーが生誕地に工場を設置させたのは、個人的な心情にもとづいていたわけではありません。

スコットランドには、長年にわたって操業されてきた高炉不要の製鉄業設備、織物工場、そして世界最高峰の造船業といった工業的・商業的利便性が存在しました。

つまり、製鉄業・織物業・造船業という3部門の工業が、それぞれ、ミシン本体の材料調達(鉄)、現地におけるミシン縫製(織物)、海外への輸出体制(船)に対応したわけです。

シンガー社にとってスコットランドはミシンの生産と販売に期待値が高まる地域でした。

また、アメリカ人労働者たちの間に、市民戦争終結時まで低く抑えられていた労賃に対するストの可能性が高まってきていた一方で、スコットランド労働者たちの低賃金がシンガー社にとって魅力的だった点も、当地工場の選択要因として働きました。

次のカードはシンガー社クライドバンク工場で作られていたミシンが博物館コレクションになったことを記念した記事です。上の手廻式ミシンの製造風景や同工場の様子などを示す映像とともにご覧ください。

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