ミシンの思い出「妹がミシンを学ぶ決心をしたシンガー SN777DX」をご紹介しています。
シンガー SN777DXについて
このミシンは、シンガー社のコンピュータミシンです。型番は「SN777DX」。
アンケートを下さった方はお母さまから、このミシンや昔のミシンの思い出を語って頂きました。
- メーカー:株式会社シンガーハッピージャパン
- ミシンの機種:シンガーコンピューターミシン – SN777DX
- ミシンの購入年:2014年3月
本機の情報は下のとおりです。
- 定格電圧:100V
- 定格消費電力:70W
- 定格周波数:50/60Hz
- SHINCO CO., LTD.
- LEDライト:5V Max. 100mV
- MODEL:SN777DX
- No. 00005303
- PSE
- Made in China
- A14
- 022H8A0307
ミシン所有者と自分の関係
写真のミシンは母が所有しているものです。
母は1964年生まれで、このミシンは兵庫県神戸市で使用していました。
ミシンの機能や値段
シンガー SN777DXの購入を決めた理由は、多機能性と値段の安さでした。
直観で買ったそうです。
母は実際に使いはじめてから「SN777DX」の2つの利便性に感心しました。
この2点をまとめてみます。
糸通しを素早くできる機構
それまで母が使用していたミシンは、使用時に小さな針孔(針穴)に糸を手動で通さなねばなりませんでした。
この作業は、かなりの集中力を要します。また、目も疲れます。
「SN777DX」は、この糸通しを省略することができるので、母の喜びはかなり大きいものでした。
縫い模様のプリセットの豊富さ
コンピューターミシンならではの縫い模様のプリセットの豊富さです。
全58種類の幾何学模様から縁取りを選ぶことができるので、縫物の表現幅が大きく広がりました。
さらに
ミシンに糸コマが絡まるなどのトラブルが発生すると警告音が出て、ミシンが自動停止します。
この機能のおかげで、安心して縫物ができるようになりました。安全で安心な環境でミシンを使える訳です。
ミシン技術の習得先
母は神戸の実家にいた頃に、祖母からミシン技術のすべてを学びました。
祖母は1940年に生まれ、幼い頃から曾祖母(自身の母)に洋裁を教わりました。
洋裁を好きになったので、1985年頃から2005年頃までの約20年間、芦屋の「むべ洋裁文化教室」(現・兵庫県芦屋市大桝町1-13)でさらに洋裁を勉強しました。
母が祖母から技術を習得した時期は1972年から1982年の約10年間だそうです。コンピュータミシンに関する知識の一部は、付属のカタログから学んだと補足していました。
ミシンの使い道
今回とりあげた母のシンガー社「SN777DX」は、息子の私と娘(私からは妹)が小学校・中学校・高校で使用する道具を作成する目的で購入しました。
そして、その目的でしか使わなかったそうです。
どのような道具を作ったかを鮮明に母が覚えていたので、以下にまとめます。
体操靴入れ
私と妹の体操靴入れを作ってくれました。
ジグザグ縫を多用して作ったそうです。
手提げ袋
私と妹の手提げ袋も作ってくれました。
これには、ジグザグ縫いを使いました。
ジャージ
私のジャージを作ってくれました。
ジャージには伸縮縫を多用したそうです。
この縫い目はかなりの伸縮性があり、ジャージやニットなどの布地を縫うのに効果的とのことです。
ジャージ制作のために、母はファスナーを簡単に作れる機能を併用したそうです。
「SN777DX」にはファスナー取りつけ機能「突き合わせ」と「脇あき」の2種類で搭載されています。ジャージの作成には前者の機能を使用したそうです。
筆者の多機能ポシェット
私には多機能ポシェットも作ってくれました。
また、ファスナー取りつけ機能のうち「突き合わせ」を使いました。
家庭科用エプロン
妹には家庭科用エプロンを作りました。
直線縫いを主に使いました。
ブラウス
妹にはブラウスも作りました。ブラウスには直線縫いとジグザグ縫いを多用しました。
「SN777DX」には7種類のボタンホール(ボタン穴)から好きな種類のものを選んで、簡単に空けることのできる機能があります。
母はその中から、普通地のシャツやブラウスなどの横向きボタン穴(ボタンホール)作成の機能を使ったそうです。横向きのボタンホールは細長い弾丸型をしたものです。
まとめ
母は他にも小道具をいろいろと私たちのために作ってくれましたが、それ以上は細かくて忘れたそうです。
以上の制作はすべて家族向けですから、家事労働として行なわれ無償労働でした。
シンガー SN777DXの現在
これまでお伝えしてきたとおり、母は私と妹が学校で使う道具や小物を作るためにだけミシンを使用してきました。
私たちが進級するにつれ(成長するにつれ)、日常的に使う小物類は減り、母がミシンを使う頻度はおのずと下がりました。
現在、「SN777DX」はほとんどの時間を押し入れの片隅で過ごす存在となっています。ここ数年は一度も使ったことがないようです。
母のミシンに対する思い入れ
母は祖母からミシンや洋裁を教えてもらったので、ミシンの思い出や思い入れは祖母と関わる形で形成されています。
祖母は母や伯父の服や小道具、孫の私たち兄妹の手提げ袋やチャンチャンコ、さらに近所のお地蔵さんに被せる頭巾などもミシンを使って作成してきました。
祖母の場合、作業台に乗ったかなり大型のミシンを使用していたそうで、それを自分の手足のように使いこなしていました。
この姿に、幼いながらに母は感銘を受けたそうです。たまに母は祖母の真似事をしてミシンで遊び、何度か不具合を生じさせて叱られたようです。
妹がミシンを学ぶ決心をしたシンガー SN777DX
このミシン・アンケートを書くにあたり、「SN777DX」は久しぶりにリビングへ引っ張り出されてきました。
このミシンを使っていた頃の思い出を楽しそうに話す母の姿を見て、私の妹は、ミシンの使い方を母から教わる決心をしたようです。
親から子に、ミシンや洋裁の技術が時代を超えて伝承されていく様は、今は失われつつあるものづくりの精神の息吹を感じさせて温かいものがあると母は締めくくりました。
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