お好きな型を見お選び下さい…:ブラザーミシン
この広告は「ドレスメーキング」1957年12月号に掲載されたブラザー社のものです。
広告リード文は次のとおりです。
お好きな型を見お選び下さい…
お家庭の生活様式が次第に近代的になって参りますと、ミシンも単に実用を目的とするだでは物足りなくなって参ります。
此処に紹介致しました各種ブラザーミシンは何れも家庭用ミシンの最高級品です。お好みの型色をご選択頂いでお仕事を楽しくして下さい。
出典 「ドレスメーキング」鎌倉書房、1957年12月号(通巻81号)、145頁
リード文によると、1957年に生活様式は近代化を進んでいました。生活様式の近代化にともないミシンの実用性に加えた特徴が必要となります。その必要性は家庭用ミシンにおいて次のようなミシン類として現われます。
女性の指示する近代的なミシン6台は次のとおりです。
- 最高級両袖型キャビネットつきオートマチックジグザグミシン
- 肩袖型キャビネットつき最新角型家庭用ミシン
- 足踏用キャビネットつき最新角型家庭用ミシン
- 化粧台型キャビネットつき最新角型家庭用ミシン
- 化粧台型キャビネットつき最新角型家庭用ミシン
- 標準型足踏式最新角型家庭用ミシン(ツートンカラー)
キャビネットの種類を確認しましょう。ミシンからみて、キャビネットが両側についていれば両袖型(1)、片方についていれば肩袖型(2)、真下についていれば化粧台型(4・5)と称されています。
これら(1・2・4・5)には足踏台がないので電動式ミシンでしょう。これに対して3と5は足踏式ミシンです。3の場合は足踏台をキャビネットに隠せるという仕様になっています。
キャビネットつきミシンには、できるだけミシンであることを避けて机や家具に見せようとする思想があります。また、実際に机と兼用させたり小物入れに使ったりなど、机や家具として機能できた事実もあります。
ミシンの近代化とはミシン台が縫製以外の用途にも使えることだったと分かります。
シンガー社をはじめとするアメリカのミシンメーカーがキャビネット型を導入して、ミシンに家具機能をつけたり、家具そのものとしてミシンを隠せる製品を販売しだしたのは19世紀末から。当時のアメリカから遅れること約60年の日本で、キャビネット型を最新式として販売していた状況は、古き良き途上国日本といったところでしょうか…。
これらの実物はブラザーミシン特約店か有名百貨店サービスステーションで確認できると付されています。
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